スピリチュアル
ストーリ
【第一話その1】
恐怖!
本当にあるヘビの霊障!
三月とはいえ
お寺はまだ寒い。
春の暖かい日差しが降
り注いだある日、
工藤景子は
108日行の最後の日、
満行を迎えていた。
少し勝気だが小柄で
美しい顔立ちの彼女
は、108日間毎日お寺
へ通って広大な境内
13ヶ所で長いお経を
上げ続ける修行をし
てきた。
決して楽ではない。
むしろ良くがんばった
といっていい。
静岡の実家から結婚し
て名古屋へ来たらしい
が、すでに離婚して
いる。
モメにモメた離婚話し
を何とか助けてほしい
とお寺へ相談に来たの
が縁で必死になって
ご本尊のお不動さんや
淡海龍神さんを拝んで
いた。
そのかいあって見事
念願成就でき以来
お寺へ来る度にいつも
トイレをキレイに掃除
して帰って行く。
今回の108日行もいわ
ば御礼の行だ。
その彼女が
神妙な面持ちで
「ちょっとお伺い
したいことが
あります」
と私の元へ訪ねて
きた。
その内容は、
「弟の様子が
変なんです!
堅実にやってきた
実家の商売が急に
おかしく
なったんです。
どうか
助けて下さい」
というのだ。
話しを聞いてすぐに
かなりの「霊障」だと分
かった。
すぐ様お護摩による
ご祈祷の用意をして
静岡へ行くことに
した。
金融と海運業を営む
工藤家は、地元では
有名な資産家らしい
のだが、三年前に主
人が急死してからは
妻の雅代が後を継い
でいる。
それでも何とか半年
前までは、必死で会
社を切り盛りしてい
たが、すべてといっ
て良いほど急に貸し
出しが焦げ付きだし
たという。
いくらなんでもあり
えない事、何かきっ
と訳があるに違いな
いと思った矢先、
今度は長男孝雄の様
子がおかしくなった。
元々穏やかな性格で
殆ど怒った事など無
い彼が、母親に対し
て殴る蹴るの暴力を
振るうようになり、
飲めないはずの酒で
荒れ放題だという
のだ。
純和風のおもむき
ながらかなりの豪邸、
庭の池にはいかにも
高そうな鯉が何匹も
泳いでいる。
だが玄関に入るとそれ
までのイメージが一変
した。
破壊の限りとまでは
云わないがそこら中で
穴が開き
見るも無残だ。
重厚な下駄箱の上
には加藤唐九郎作
と思われる半分粉々
になった壷が転がっ
ていて思わずため
息が出た。
今の主、雅代は憔悴
しきった表情で言葉
少なく話してくれた。
死んだ夫は元気を絵に
描いたような人だった
が、突然の肝臓ガン
に冒され、のたうち
回るような苦しみ方だ
ったという。
商売のことは何も教え
てもらってなかったの
で、急死のショックと
その後の仕事をどうし
たら良いのか本当に大
変だったのだと涙なが
らに語るその顔を見た
とき、これは何とか
しないと次はこの人が
危ないと悟った。
とにかくお護摩を焚い
て先ずは全ての原因を
突き止めることに
しよう。
弟子と共に10畳の仏間
に護摩壇がセット
された。
長男が確実に居ない
すきを狙って護摩
法要が始まる。
自分でいうのも
何だが、本格的
不動護摩を個人宅で
修法できるのは、
多分世界で私一人だ。
これまでやってきた
修行だって誰にも負
けない自信がある。
霊能力や法力は修行の
末に神仏より頂い
たもの。
どのような霊障でも
必ず解脱させて
見せる!
事実そうして
きたのだ。
「チーン」
鈴(リン)の音も
心地良い、前作法と
呼ばれる護摩木に
火が入るまでの段取り
も順調だ。
と、その時!
あろう事か部屋の
床一面に突如無数の
ヘビが出現した。
緊張度は最高レベル
何故!突然これほ
どのヘビが・・・。
(つづく)


工藤さんは それから助かったのですか?! 心配です(>_<)